ネタバレ注意 #新文芸坐 #ジョゼフ・ロージー 「狙われた男」

狙われた男」映画後の講義を聴いた上でもちょっとこの映画には不満が残る。なぜ不倫当事者の男女のシーンが一つも出てこないのだろう?回想シーンはたくさん出てくるが、ヤンとフランス人年上女性だけ。いくら低予算で作られたとは言ってもねぇ

ほぼ室内劇で刑事と容疑者の会話がほとんどを占める。あとは容疑者の語る回想シーン。刑事が外に出ることもほとんどない。容疑者と共に空港まで行くシーンが一度あるだけ。そこで偉い人(役職忘れたが不倫している男)は一瞬出てくるがセリフは無い。この人と不倫相手(殺された女)のやりとりゼロ。

そこがいいんじゃないか、という意見もあるだろう。この不倫当事者二人が全くと言っていいほど映画に出てこないおかげで主演男優と主演女優が引き立っているのは確か。刑事もの映画というより恋愛映画にしたかった?その場合でももう少し不倫男女を描く必要があったのでは?

キングクリムゾン / メルトダウン 感想part3


 それでは各曲の感想

CDと映像とどっちからいこうか?
映像(Blu-ray)から
オープニング
楽屋の様子が写りフリップの前説が流れる。途中で20分くらい休憩がありますとかトニーが最後に撮影する時間を設けるから演奏中は禁止だよとか言ってる。
1.NEUROTICA 
インプロビゼーションから始まるがラインナップ4とは編成が違うので、かなり違う曲に聴こえる。ドラム隊の演奏が際立つ。コリンズのサックスも入るがそれほど違和感はない。
ジャッコのヴォーカルが入ると、やはりキーが低いなぁという感想。それで違う曲に聴こえる。
2.PICTURES OF A CITY
2nd In The Wake of Poseidon のA面2曲目。1stと2ndは、構造的に似ている。この曲は1st 21世紀の~に似ている。昔からそう思っていた。2番煎じなのである。一般的にも、まぁかなり1stに比べると評価は落ちるのではないか?良い曲も入ってるんだけどね。
こういった、1st,2ndでのヴォーカル曲はどうしてもGreg Lakeと比較してしまうのでガックリくるんだけど、仕方ないよな。
3.CIRCUS 
3rd A面1曲目。Godon Haskell のヴォーカルは最もクリムゾンらしくないので、この編成でのこの曲はすんなり聴ける。
全クリムゾン・アルバムの中でもLIZARDは最もクリムゾンらしくない、変わったアルバムなので、そもそもこの曲は知名度が低い。よくぞ取り上げてくれて、ありがとうと言いたい。
4.DOWN SONG 
5.LAST SKIRMISH 
6.PRINCE RUPERT'S LAMENT
LIZARDの曲の一部。この曲は組曲になっていて、それのパート3の中の3曲に当たる。邦題は「夜明けの歌」「最後の戦い」「ルーパート王子の嘆き」地味な3rdの楽曲なのでよくぞ取り上げてくれました、というしかない。ライヴ演奏を聴けただけで満足。
ただし、LIZARD最初の部分、part1「ルーパート王子の目覚め」part2「ピーコック王朝のボレロ」がなくいきなりpart3から始まるので、てっきり最初に聴いたときは2010年代クリムゾンの新曲かと思ってしまった。そのくらい馴染みのない曲。原曲LPではB面全部を使ってpart4まであるという大作だった。
7.EPITAPH
1stの曲は、さっきも書いたがグレッグ・レイクのヴォーカルが素晴らしいので、ジャッコには気の毒。ただこの曲もライヴ演奏を聴けただけで充分なのではないか?もともと原曲がスローなのでスピード感は現編成で問題ない。丁度よい。
8.DEVIL DOG OF TESSELLATION ROW
現編成での新曲、というよりはドラム隊曲。通常のバンドではドラムソロに相当する曲。それほど長くなくまとまっていて良い。
9.FRACTURE
この曲は本当にライヴで聴きたかった曲。来日公演でも是非演奏してほしいものだ。原曲に比べると、若干もっさりしているのはやはりサックスが入る部分。コリンズは少し休んでいればいいものをフルート吹いたりしてるが余計なんじゃないか?原曲がとても素晴らしいので、とにかくセットリスト入りするのを願うばかりである。

後半に続く 


キングクリムゾン / メルトダウン 感想part2

短所1 ヴォーカル:
歴代クリムゾン・ヴォーカリストの中でどの程度にランクされるのだろう、ジャッコは。他の人はほとんど故人なのだが、個人的にはこういうランキングだ↓
 2位グレッグ・レイク(ELPのイメージ大なので)
 3位ボズ・バレル
 4位ジャッコ
 5位エイドリアン・ブリュー(歌えない旧曲多)
好みの問題なので、ファンそれぞれ違うとは思う。
しかし物理的に旧曲を歌うに歌えなかったブリューは最下位で良いと思う。
そしてジャッコはあまりにも高音が出ない。もちろん年齢的に仕方がないのは分かってる。ウェットンやレイクやボズはもっと若い時点でのヴォーカリストだったんだから当然ではある。
それはそうなのだが、作品を聴き比べるとこうなってしまう。気の毒だが。

短所2 大所帯
 かつて、ディシプリン時代、フリップは、スモール・モービル・インテリジェ
ンス・ユニットと80年代クリムゾンを説明していた。この言葉の真逆が、現状の8人クリムゾンである。恐竜である。動きがのろい。
現状ラインナップでのヴルームを最初に聴いたときには、笑い転げた。
爆笑ヴァージョンであった。もったりしていて緊張感がまるで無いし、余計なサックスが入る。ダブルトリオ時代の曲だが、まさかこんなにひどいアレンジで再現されるとは思わなかった。
ヴルーム以外の曲も、だいたいちょっとずつテンポが遅い。日常的に昔のクリムゾンを聴いているファンならすぐに気づく。

短所3 昔と比較される
 これは長所と表裏一体と言えるのだが、ほとんど旧曲を演奏しているため、全盛期のライヴなどと比較されてしまう。そうした場合、昔のほうが当然良く聴こえる。あくまでも現状の演奏はそれのセルフ・カヴァーなのでそうなるのは当然。
新味を出したいために、だからこそ3人ドラム体制を取ったのだろう。

短所4 不要な音(サックス、フルート)を入れる
 短所2のヴルームが何故爆笑ヴァージョンになってしまっているかという理由のひとつにメル・コリンズの不要なサックスがある。
ヴルームの原曲はダブルトリオ体制で演奏されていた。サックスの音とテンポはあきらかに不要なのだ。この不要なサックスのおかげで全体のテンポももったりし、ドッスンバッタン感が大きい。この曲から緊張感、スピード感を取ったら、それはもう爆笑ヴァージョンの完成である。
この曲以外でも、80年代以降楽曲においてサックス、フルートは明らかに不要であるのに現状クリムゾンはわざわざ余計に入れている。メル・コリンズが必要な楽曲は初期の曲でほかにたくさんあるのだから、休んでいればいいのに。フリップがそれを止めないのは、どうせ昔の曲はカヴァーなんだからアレンジ変えても問題ないという考えなのだろう。だけど劣化してるんだけどねぇ?(メルトダウンでは、ディシプリンにサックス入れてるがもちろん爆笑ヴァージョンとなっているのは言うまでもない)

キングクリムゾン / メルトダウン 感想-part1

 2010年代クリムゾン、つまり現在のラインナップのひとつ前、7人体制になってからのクリムゾン、これの長所と短所をまず述べたい。

長所1:昔の曲を演奏してくれること。
ラインナップ4(ディシプリン以降)からのクリムゾンは、極端にこれをしなかった。避けていたといっていいほど。例外は「戦慄part2」「レッド」くらいであった。それは、ダブルトリオ、そのあとのヌーヴォ・メタル時代でも同様であった。まるで違うバンドなんだから演奏するわけないだろう、と言わんばかりであった。新曲で勝負していたのが、80年代、90年代、00年代のクリムゾンだったのだ。
2010年代のクリムゾンは8割方、旧曲の演奏である。現在の人気はこれに尽きる。30年以上封印されてきた名曲の数々を演奏してくれる。これは何物にも代えがたい。

長所2:ドラム3人体制
かつてダブルトリオでドラム2名という時代があったが3名は初。これによって、同じ曲でも違うアレンジに簡単にできる。ドラム3人の掛け合いが面白い、という効果が出てきた。そもそも普通のバンドはドラマーは一人なのだから3人だと様々な変ったことができる。

長所3:捨て曲無し
ディシプリン・クリムゾン以降、ブリュー楽曲には酷い曲が結構多かった。
00年代(ダブルトリオマイナス2名体制)時、特に顕著。
ブリュー曲は捨て曲、中休みとして使い、高度で緊張感あふれる真にクリムゾン曲という曲(The Construction of Light等)はそのあとで演奏する、という手法。
現在の7人体制になってから、こういった捨て曲をわざわざ演奏し、そのあとに本当に演奏したい曲を演奏するという手法はしなくなった。
ほぼ、有名曲の連続である。これは本当に良い。
Prozakc Blues なんぞ二度と演奏してほしくない。

次は短所だが、一旦ここでブログをアップする。

キングクリムゾン2018来日に向けて part2

ラインナップ4当時について

さて、ラインナップ4の当時の評判はというと、元クリムゾンファン、プログレファンからは総スカンに近い扱い。超高性能水洗便所、全くつまらないという意味だが、そういう言われ方をされていた。

確かに今聴いても、「待ってください」はクリムゾン史上ワースト・ソングという気がする。
しかし、インストルメンタル楽曲には良いものが多く存在する。
表題作「DISCIPLINE」「The Shelterring Sky」は本当に素晴らしい名曲だ。
決してアルバム全体としては酷い出来なのではなかった。
しかしどう聴いても70年代的プログレではない。エピタフに代表されるような情緒的な曲は無い(「待ってください」は失敗作)し、戦慄part2的なヘヴィメタルな曲も一切ない。だから不評だったのである。

同じバンド名では、結局70年代の頃と比べられる。宿命だからそれは仕方ない。全く違うコンセプトで違う音を出そうとして結果をだしているというのに世間ではきちんと評価してもらえない。

フリップは、アルバム一枚でこのバンドは止めようと決意していたらしいが、これまた商売上のレコード会社の都合で3枚作らなければならなかった。それで「ディシプリン」の延長線上に出したのが「ビート」「スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペア」であった。
この2作品はだからメンバーも同じであり内容もあまり変わり映えがしない。ニューウェーブ的音の感触はそのままだった。
一言でいうと、「軽かった」のである。
不満な人にはずっと不満だっただろう。

part3に続く


キングクリムゾン2018来日に向けて part1

 どこから書き始めようか。と考えたところで時間ばかりが無駄に経過。

DISCIPLINE期からにする。
そもそも、このラインナップ4だが、キングクリムゾンでは無かった。呼称が、キングクリムゾンではなく、ディシプリンだったのである。これはつまりどういうことかというと、言葉そのままなのである。
フリップは、新しいバンドを組むにあたって、クリムゾンにする気は無かった。新しいメンバーを集めバンド形態での活動を開始したが、それはキングクリムゾンという意識ではなかったのである。
結果的にブルーフォードは元クリムゾンだが、ほか2人のメンバーはプログレ人とは言えない。
トニー・レヴィンは何というかオールラウンダー的セッションミユージシャン。上手いけどね。
エイドリアンブリューは、トーキングヘッズやデヴィッド・ボウイのステージの端で変な音を出しているギタリスト。
出てきた音はというと、プログレというよりはニューウェーブの音。
そりゃそうだよなぁ、プログレをしようとしているわけじゃあなくて、新しいバンドで新しい音楽を作ろうとしただけなのだから。70年代のクリムゾンとは似ても似つかない異質な音。それが、ラインナップ4だった。
そして、アルバムを出しライブをしようとする際にバンド名がディシプリンでは商売上都合がよろしくない、という事は誰の目にも明らかなのでキングクリムゾンにした、というだけの話。

フリップとしてはもうレッドでスターレスで終了させ文字通り解散させたバンドである。再結成という意識は全くなかったと思う。新しいバンド、というイメージであったと思うし音も明らかに違っていた。
結論A:ラインナップ4は、キングクリムゾンでは無かった。 

part2に続く。


競馬場で逢おう-小倉記念 レパードS

 「やぁ、久しぶり!」ケルプが入ってきた。
「ああ、暑かったからな。最近はウインズへも行ってない」
「今日のレースはどうだい?」
「穴狙いで行くよ、いつもどおり」とオレはアイスコーヒーを飲みながら言った。
ペルーサが久々に勝ったから、ベルーフなんてのはどう?」
「何の関係も無いな。新潟は8枠から流しだ。蛯名は去年人気を裏切ってるからな、レッドアルヴィスで」
「多分そんなこと本人忘れてるぜ。俺は大井の東京ダービー馬3番からだ」
「ふん。もっと人気ないじゃないか。確かにJDDは田んぼのような馬場だったから参考外かもな」
「そうそう、そうなんだよ。あのレースは無かったこと、にして予想したんだ」
「デブとかバカとかひどい名前の馬が出てるわね」とメイが割り込んできた。
デブリンとノボバカラだ。また名前で買うのか?」
「そうよ、自分のお金なんだからいいでしょ。ブリュネットなんていいわね、あこがれるわ」
「やれやれ。小倉はどうする?オレは3頭いる8枠から流す」
「3頭いる、というのが軸の理由なのか?俺はパッションダンスだ。金子HDの人気がないほう」
「わたしは、ここも牝馬ね。ウインプリメーラプリメーラは最高級の、という意味よ」
まったく意見が合わないのがオレたちのいいところ?なのか。
誰か当たると良いのだが。
まとめるとこうなるな。↓
レパードS ドートマンダー8枠 ケルプ3番 メイ13番
小倉記念 ドートマンダー8枠 ケルプ1番 メイ3番