キングクリムゾン / メルトダウン 感想part2

短所1 ヴォーカル:
歴代クリムゾン・ヴォーカリストの中でどの程度にランクされるのだろう、ジャッコは。他の人はほとんど故人なのだが、個人的にはこういうランキングだ↓
 2位グレッグ・レイク(ELPのイメージ大なので)
 3位ボズ・バレル
 4位ジャッコ
 5位エイドリアン・ブリュー(歌えない旧曲多)
好みの問題なので、ファンそれぞれ違うとは思う。
しかし物理的に旧曲を歌うに歌えなかったブリューは最下位で良いと思う。
そしてジャッコはあまりにも高音が出ない。もちろん年齢的に仕方がないのは分かってる。ウェットンやレイクやボズはもっと若い時点でのヴォーカリストだったんだから当然ではある。
それはそうなのだが、作品を聴き比べるとこうなってしまう。気の毒だが。

短所2 大所帯
 かつて、ディシプリン時代、フリップは、スモール・モービル・インテリジェ
ンス・ユニットと80年代クリムゾンを説明していた。この言葉の真逆が、現状の8人クリムゾンである。恐竜である。動きがのろい。
現状ラインナップでのヴルームを最初に聴いたときには、笑い転げた。
爆笑ヴァージョンであった。もったりしていて緊張感がまるで無いし、余計なサックスが入る。ダブルトリオ時代の曲だが、まさかこんなにひどいアレンジで再現されるとは思わなかった。
ヴルーム以外の曲も、だいたいちょっとずつテンポが遅い。日常的に昔のクリムゾンを聴いているファンならすぐに気づく。

短所3 昔と比較される
 これは長所と表裏一体と言えるのだが、ほとんど旧曲を演奏しているため、全盛期のライヴなどと比較されてしまう。そうした場合、昔のほうが当然良く聴こえる。あくまでも現状の演奏はそれのセルフ・カヴァーなのでそうなるのは当然。
新味を出したいために、だからこそ3人ドラム体制を取ったのだろう。

短所4 不要な音(サックス、フルート)を入れる
 短所2のヴルームが何故爆笑ヴァージョンになってしまっているかという理由のひとつにメル・コリンズの不要なサックスがある。
ヴルームの原曲はダブルトリオ体制で演奏されていた。サックスの音とテンポはあきらかに不要なのだ。この不要なサックスのおかげで全体のテンポももったりし、ドッスンバッタン感が大きい。この曲から緊張感、スピード感を取ったら、それはもう爆笑ヴァージョンの完成である。
この曲以外でも、80年代以降楽曲においてサックス、フルートは明らかに不要であるのに現状クリムゾンはわざわざ余計に入れている。メル・コリンズが必要な楽曲は初期の曲でほかにたくさんあるのだから、休んでいればいいのに。フリップがそれを止めないのは、どうせ昔の曲はカヴァーなんだからアレンジ変えても問題ないという考えなのだろう。だけど劣化してるんだけどねぇ?(メルトダウンでは、ディシプリンにサックス入れてるがもちろん爆笑ヴァージョンとなっているのは言うまでもない)