江戸川乱歩オールナイトから帰還

 池袋新文芸座(4月14日22:30)昨夜行われた、「江戸川乱歩の妖しき世界」オールナイト4本立てから無事帰還しました。あ~疲れた。
 実は、2本目の途中(終わりごろ)で、本気で失神しかかりました。大の大人がこんな映画ごときで失神してたまるか、と飲み物をがぶ飲みしてなんとか持ちこたえました。2本目上映後トイレに直行したのは言うまでも無いが。
いやー、その2本目『盲獣』(1969大映 増村保造監督)は、まー猟奇というか倒錯というかサディズムの極みというか、自分は観るに耐えない映画であった。(特に最後のほう) これなら、ホラー映画のほうがまだまし、という気がする。フィクションだというところが分かりやすいから。とにかく最後のほうは目を瞑っていたのだけれど、それでも音と声だけで失神には十分だった。まいった。本当にこんな映画は勘弁して欲しい。暗すぎるよう!
 
 1本目『黒蜥蜴』(1968松竹 深作欣二監督)と、3本目『黒蜥蜴』(1962大映 井上梅次監督)
は、どちらも明智小五郎ものなので、楽しんで観ることができた。私が好きな江戸川乱歩はこっちなんだよなー。猟奇的なところもあるにはあったが、『盲獣』の比ではない。
1968年松竹版は、丸山(美輪)明宏、松岡きっこ というキャスティングが好みを分けるかもしれない。やはり普通に女盗賊を京マチ子、令嬢役を叶順子が演じた1962年大映版のほうが好き。小説「黒蜥蜴」に忠実なのは当然だが1962年大映版のほう。明智小五郎は、どちらかというと脇役なので大木実(1962)でも木村功(1968)でもさほど差は無い。
松竹版のほうは、変なところ(役)で三島由紀夫が登場して、自分はふいた。
 
 4本目、『江戸川乱歩の陰獣』(1977松竹 加藤泰監督)は、探偵役として本格探偵小説家(あおい輝彦)、容疑者として変格小説家とその妻で本格探偵小説家のファン、が登場するので話がとてもややこしい。これは1本目に観たかった。なにしろオールナイトの4本目である。2本目にあんな衝撃的な『盲獣』を観た後なのである。
もはやこんなややこしい推理ものはきちんと理解できず。最後のほうにきっちりとあおい輝彦が論理的に説明してくれるのだが…… 結局印象に残ったのは、香山美子さんのヌードだけであった。やれやれ。